そこを通り過ぎ、さらに道を数十キロ進むと、Tanjung Lesung タンジュン レスン という西ジャワのリゾート地に到着する。 ジャカルタ から車で約2時間半から3時間位。
ホテルは各部屋がコテージ式の完全なリゾートスタイルで、周りには何にもない。
レストランとオープンバア、スパとスイミングプール。
広大な敷地と海岸沿いはレンタル自転車で走りまわることが出来る。
海は珊瑚が多いので素足では危険だが、シュノーケリングと釣りを楽しむことが可能。
週末は海から取れたばかりの魚を調理してくれ、前日に注文しておけばロブスターも手に入る。
食後のオープン・バアでの一杯がまた心地よく、海風を楽しみながら、杯を重ねることも可能(涎)。

http://www.tanjunglesung.com/
ご興味のある方は、上記のWebからご確認下さい。
私がこの地を訪れたのは、もう9年以上前のこと。
友人達と海で休日をゆっくりしようと計画し、Tanjung Lesung Resortを見つけ出し、仲間数名で訪れた。
せっかくのゆったりとしたリゾート地にも関わらず、昼間はシュノーケリング、釣り、夕刻にはサイクリングと、何が海でゆくっりだよ!!と突っ込まれそうな活動。
しかしその分、皆で大いに食べたシーフードは美味かった。 バアでの酒も最高だった。
悲劇が起きたのはその晩だ。
皆で個々の部屋に引き上げ、さてシャワーを浴びて寝るかと思い、バスルームに入ると、もう一つ外へとつながっているドアがある。 はてと思い扉を開けると、石で出来たインドネシア風のレリーフ。 口から水が出て、しゃがみ込むと水がちょうど肩にあたり、水圧マッサージを楽しめる。 演出が細かいねーと独り言をいいながら、まずはシャワーで体を温め、その部屋に入った。
ドアを閉めた。
いやな音がした。 バタンと…。
恐る恐るドアを開こうとすると、予感どおり開かない。
暗くて良く見えないのだが、頑丈そうな錠がドアと仕切りに食い込み、完全にロックされている。
そんな馬鹿なと様々な方法で試すのだが、ドアは沈黙を保ったまま。
取り敢えず数回ドアに蹴り、板の弱そうな部分にも渾身の蹴り。
頑丈なドアは私の体に痛みを返してくるだけでビクともしない。
私は選択に迫られた。
このまま全裸で、この小部屋で朝を待つか、壁を乗り越え、助けを求めるか。 時間は0時30分頃。
幸いこの小部屋には洒落た演出のおかげで、屋根がない。
ジャンプ。
手が届き、腕の力で上半身を押し上げ、首を出して外の様子を窺う。
他の友人達の部屋は、小道を隔てたり、私と同じ並びの奥にあるため、その方角からはコテージも見えない。 それでも幸運なことに、ウィッシャーの部屋だけが見て取れた。
彼女の部屋まで約10メートル強。
幸いこちらから見える窓から明かりが漏れている。
私は選択に迫られた。
このまま自力で壁を乗り越え、葉っぱか何かで一物を隠し、男性の友人に助けを求めるか?
それとも、まず大声を上げて助けを求めてみるか?
最初の案はリスクが高すぎる...誰かに見られただけで、変態と間違われかねない。
もはや恥じも何もない。大声で叫んだ。 一番近くに見えているのはウィッシャーの部屋だったが、私の反対側に位置する友人の誰かが気づく可能性もある筈。
「もう寝てしまったか? お〜い!! 助けてくれ〜」
何度か咆哮しているとウィッシャーが気付いた。
寝る直前だったのか、あわてて身を整えながら外へ飛び出てきた。
とにかく腕の力で体を支え、壁にぶら下がっているので、かなり辛い状況だった。
壁の塗装が平らでない為、突起している部分が腕に食い込み、足には擦れて、相当痛い。
「緊急事態だ。早くホテルのスタッフを呼んで部屋に入ってきてくれ」
彼女は私の苦しそうな顔と腕で支え上半身を出している異常な姿を見て、走り出した。
フロントまでも結構距離がある。 待っている時間は長く感じられた。
数分後、部屋に人が入ってくる足音。
鍵の開く音。 ホッとした。
「とにかくバスタオルを先にくれ」
「何が起きたんですか? 怪我でもしたのですか?」と彼女。
「お前はこなくていい」
ホテルスタッフが事情を察した。 男性で良かった。
「助けろと言っておいて、今度は近寄るなですか?」
「俺は今フルチン全裸なんだ!!」
格好がつかず、ホテルマンにクレームを言い放ったが、真夜中の笑い声に私の苦情は掻き消された。
翌朝、朝食時にはその話題でもちきり。 友人全員大笑い。 涙を流して笑っている奴までいた。
かくして日系男性ストリッパーは、インドネシアのリゾート地で、すんでのところでデビューを飾らずに済んだのであった。
う〜ん、楽しかった、今となっては良き思い出。

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